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膀胱がん

こんな症状は膀胱がんかも?

このような異常や違和感ありませんか?
  • 血尿が出ている
  • 健康診断で尿潜血陽性と言われた
  • 排尿時に痛みがある
  • 尿色が茶色になっている
  • 頻尿が気になる
  • 排尿時にお腹に力を入れないと出ない

膀胱がんの初期症状の多くは無症状であることが多く、病気が進行するまで気付かれないことも少なくありません。しかし、最も一般的な症状は血尿です。血尿は痛みを伴わない場合も多く、尿の色がピンク色から濃い赤色、時には茶色になることがあります。この症状はしばしば一過性であり、再発することもあるため、見逃されやすいですが、がんの早期発見には重要な手がかりです。がんが膀胱の外側に広がると、骨盤や腰部の痛み、下腹部の腫れ、体重減少などの全身症状が現れることもあります。
膀胱がんが進行すると、がん細胞が膀胱の壁を超えて他の組織や臓器に浸潤し、リンパ節や遠隔転移を引き起こすことがあります。この段階になると、がんは治療が難しくなり、生存率が低下します。ですから、これらの症状に気付いた場合は、早期に医師の診察を受け、適切な診断と治療を開始することが重要です。

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そもそも膀胱がんとは?

膀胱がんは、膀胱内の細胞が異常に増殖し、腫瘍を形成する病気です。膀胱は尿を一時的に蓄える役割を持つ器官で、尿を体外に排出する前の重要なステップを担っています。膀胱がんは主に膀胱の内側を覆う尿路上皮細胞から発生しますが、他にも扁平上皮がんや腺がんなど、異なる種類のがんが発生することがあります。日本においては、膀胱がんの発生率は男性が女性の約4倍であり、特に50歳以上の年齢層で多く見られます。

膀胱の役割と構造

膀胱は、腎臓で生成された尿を一時的に蓄える袋状の器官です。通常、膀胱には300〜500mlの尿を溜めることができ、排尿時に尿道を通じて体外に排出されます。膀胱の壁は柔軟で伸縮性があり、尿の量に応じて形状を変えることができます。膀胱がんはこの壁の内側にある尿路上皮から発生し、進行すると壁を貫通して周囲の組織や他の臓器に広がることがあります。
膀胱がんは、進行の度合いによって「表在性」と「浸潤性」に分類されます。表在性膀胱がんは膀胱の内側の層にとどまっているがんで、早期発見による治療が可能です。一方、浸潤性膀胱がんは膀胱壁を越えて周囲の組織に浸潤するがんで、治療がより困難となります。これらの違いは治療法の選択に大きな影響を与えます。

膀胱がんの種類

膀胱がんは、主に3つの種類に分類されます。

  1.  尿路上皮がん

    • 最も一般的なタイプで、膀胱内の尿路上皮細胞から発生します。全膀胱がんの90%以上を占めるこのタイプは、表在性または浸潤性に進行することがあります。
  2. 扁平上皮がん

    • このがんは慢性的な炎症や感染によって膀胱の細胞が変異することで発生します。尿路上皮がんよりもまれですが、進行が速く、治療が難しいことが特徴です。
  3. 腺がん

    • 膀胱内にある腺細胞から発生するがんで、非常にまれなタイプです。一般的に進行が早く、治療が難しい傾向があります。

 

これらの種類の中でも、最も治療が進んでいるのが尿路上皮がんです。このため、膀胱がんの治療法や研究は尿路上皮がんに焦点を当てて進められることが多いです。膀胱がんの種類を正確に診断することは、最適な治療法を選択するために非常に重要です。泌尿器科専門医だからこそ正確な診断が可能です。

発症頻度と統計

膀胱がんは、世界的に見ても比較的発症率の高いがんの一つであり、特に男性に多く発生します。日本では、男性のがんの中で上位にランクされており、女性でも一定の発症率があります。50歳以上の高齢者に多く見られ、発症のピークは60代から70代です。これには、長年にわたる喫煙や化学物質への曝露が関与していると考えられます。
地域的には、工業化が進んでいる都市部での発症率が高い傾向があり、特に産業用化学物質を取り扱う職業に従事している人々に多く見られます。膀胱がんの発症率は、生活習慣や環境要因が大きく影響していることが分かっています。例えば、喫煙者は非喫煙者に比べて膀胱がんのリスクが2〜3倍高くなるとされています。
性別による違いも顕著で、男性の発症率は女性の約4倍です。この差は、喫煙率の違いや職業上の化学物質への曝露の差異が一因とされています。しかし近年、女性の喫煙率の増加や高齢化に伴い、女性の膀胱がん発症率も増加傾向にあります。

 

膀胱がんの原因

喫煙と化学物質への曝露

膀胱がんの主な原因は、喫煙と化学物質への曝露です。喫煙は膀胱がんの最も重要な発症要因であり、タバコの煙に含まれる多くの有害物質が体内で代謝され、尿中に排出される過程で膀胱内にとどまることによって発がん性を引き起こします。特に長期間の喫煙は、膀胱がんのリスクを大幅に高めます。

化学物質への曝露

特に、染料、ゴム、皮革、印刷業などで使用されるアニリン系化学物質や、排気ガス、農薬などの有害物質に長期間さらされると、膀胱がんのリスクが増加します。これらの化学物質は尿中に排出される際に膀胱内に蓄積し、膀胱内の細胞を変異させる可能性があります。

慢性膀胱炎や寄生虫感染

慢性膀胱炎や寄生虫感染も膀胱がんのリスクを高める要因とされています。特にエジプトなどの寄生虫感染が多い地域では、ビルハルツ住血吸虫症が膀胱がんの発症に関連していることが知られています。遺伝的要因も考慮する必要があり、膀胱がんの家族歴がある場合、リスクが増加することがあります。さらに、高齢であることもリスク要因の一つであり、細胞の再生能力が低下することでがん化しやすくなると考えられています。

膀胱がんのリスク要因

膀胱がんのリスク要因には、喫煙や化学物質への曝露以外にもいくつかの要因があります。まず、年齢は重要なリスク要因です。膀胱がんは一般的に高齢者に多く発生し、特に50歳以上の男性で発症率が高くなります。これは、長年にわたる細胞のダメージが蓄積されるためです。

遺伝的要因もリスク要因の一つです。家族に膀胱がんの既往がある場合、遺伝的な影響で発症リスクが高まる可能性があります。特に、膀胱がんの発症に関連する特定の遺伝子変異が見つかっている場合は、リスクがさらに増加します。また、過去にがん治療の一環として骨盤への放射線治療を受けたことがある場合も、膀胱がんのリスクが高まります。

さらに、慢性膀胱炎や長期間の尿路カテーテルの使用もリスク要因となります。これらは膀胱の内壁に持続的な刺激や炎症を引き起こし、細胞の変異を促す可能性があります。食生活も関与しており、赤肉や加工肉の摂取量が多い場合や、ビタミンやミネラルの摂取が不足している場合も、膀胱がんのリスクが高まるとされています。

膀胱がんのステージ別の症状の違い

膀胱がんの症状は、がんの進行ステージによって大きく異なります。早期のステージでは、がん細胞は膀胱の内側の層にとどまっているため、無症状であることが多いです。時折、血尿や軽度の排尿障害が見られることがありますが、多くの場合、これらの症状は一過性であり、患者が深刻に捉えないことが多いです。

  • 進行期のステージ

    • がんが膀胱の筋層にまで浸潤しているため、排尿時の痛みや頻尿、尿流の細さなど、より顕著な症状が現れます。また、がんが膀胱の外側に広がると、骨盤内の臓器やリンパ節に浸潤し、痛みや腫れを引き起こすことがあります。この段階では、血尿が頻繁に見られるようになり、体調不良や疲労感、体重減少などの全身症状も現れることがあります。
  • 末期のステージ

    • がんが膀胱を超えて遠隔転移を引き起こし、他の臓器にも影響を及ぼします。この段階では、激しい痛みや排尿困難、腎不全などの重篤な症状が出現し、患者の生活の質が著しく低下します。治療も難航し、緩和ケアが主な対応となることが多いです。ステージに応じた適切な治療が求められ、早期発見・早期治療が生存率の向上に繋がります。
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膀胱がんの診断・検査方法

膀胱がんの診断は、まず患者の症状と病歴の確認から始まります。血尿が最も一般的な初期症状であるため、尿検査は最初の診断手段として行われます。尿検査では、顕微鏡で血尿の有無や、がん細胞の存在を確認します。尿細胞診は、膀胱がんの診断において高い感度を持ち、がん細胞を直接検出することができますが、早期の小さながんでは検出が難しい場合もあります。

内視鏡検査

膀胱鏡検査は、膀胱がんの診断において最も重要な検査です。この方法では、尿道を通じて膀胱内に細いカメラを挿入し、膀胱内の状態を直接観察します。膀胱鏡検査により、膀胱内の腫瘍の存在や大きさ、位置を正確に確認できるため、がんの診断と治療計画において非常に有用です。検査中に腫瘍が発見された場合は、生検を行い、がんの種類や進行度を確定します。当院では、疑いがある場合は即日膀胱鏡検査を行うことが可能です。

画像診断

画像診断も膀胱がんの診断において重要な役割を果たします。CTスキャンやMRI、超音波検査は、膀胱がんの広がりや浸潤の程度を評価するために用いられます。特にCTスキャンやMRIは、がんのステージング(進行度の評価)において欠かせないツールであり、リンパ節転移や遠隔転移の有無を確認するのに役立ちます。当院ではスクリーニング検査を実施し、もし膀胱がんの疑いがある場合は、高次医療機関へご紹介し、精密検査・治療を受けていただきます。

膀胱がんの治療方法・治療選択肢

膀胱がんの治療は、がんの種類や進行度、患者の健康状態に応じて個別に決定されます。治療法には手術療法、化学療法、放射線療法、免疫療法、そして新しいターゲット療法などがあります。

  • 手術療法

    • 膀胱がん治療の中心的なアプローチで、がんが表在性の場合は、経尿道的膀胱腫瘍切除術(TURBT)が一般的です。この手術は、尿道から膀胱に挿入されたスコープを用いて腫瘍を削り取る方法です。進行した浸潤性のがんに対しては、膀胱全摘術が行われることがあり、膀胱の除去に加えて周囲の臓器やリンパ節の摘出も行われます。
  • 化学療法

    • 手術前の腫瘍縮小や手術後の再発防止、または全身的ながんの治療に用いられます。特に、進行性の膀胱がんでは、化学療法が重要な役割を果たします。膀胱内に直接薬剤を注入する膀胱内注入療法も、表在性がんに対して効果的です。放射線療法は、手術が困難な場合や、手術と化学療法と併用して用いられることがあり、特に局所制御に効果的です。

膀胱がんの治療後のケアと経過観察

膀胱がんの治療後のケアと経過観察は、患者の長期的な健康と再発防止にとって非常に重要です。手術後や化学療法後は、まず術後の感染防止や合併症の管理が必要です。特に膀胱全摘術を受けた患者は、人工膀胱の管理や新しい排尿方法への適応が求められるため、リハビリテーションや医療スタッフによるサポートが不可欠です。また、排尿のコントロールや日常生活への適応を支援するために、栄養管理や運動療法が行われることもあります。


経過観察は、再発を早期に発見するための重要なプロセスです。術後や治療後のフォローアップでは、定期的な膀胱鏡や尿検査、画像診断が行われ、膀胱内の状態や転移の有無を確認します。これにより、再発が確認された場合には、速やかに追加の治療を開始することができます。また、経過観察の頻度は、がんのステージや進行度によって異なり、初期段階のがんであれば3〜6ヶ月ごと、進行したがんの場合はさらに頻繁に行われることが一般的です。

 

膀胱がんの生活への影響

膀胱がんは、患者の生活に大きな影響を与える可能性があります。特に、膀胱全摘術を受けた場合は、人工膀胱や尿路変向術の使用が必要となり、これが日常生活や身体のイメージに影響を及ぼすことがあります。排尿のコントロールが難しくなるため、生活の質の維持には工夫が必要です。例えば、ストーマ(人工膀胱の排尿口)を管理する必要がある場合、ストーマケアのスキルや知識を身につけることが重要です。

  • 性生活への影響

    • 性生活にも影響が及ぶことが多く、特に膀胱全摘術後は、男性では勃起機能の低下や射精の問題、女性では膣の乾燥や性交痛などが見られることがあります。これらの問題は、医師との相談や適切な治療を通じて改善を図ることが可能です。性的健康に関する悩みは、心理的な影響を及ぼすことがあるため、カウンセリングや専門家の支援が役立ちます。
  • 社会的心理的影響

    • さらに、膀胱がんは社会的および心理的にも影響を与える可能性があります。がん治療のために仕事を休まざるを得ない状況や、治療費の負担など、経済的な問題も発生します。また、再発の恐怖や身体の変化に対する不安感など、精神的なストレスが増加することもあります。これらの影響に対しては、家族や友人、周辺の方全てのチームサポートが重要であり、場合によっては行政の支援を受けることも必要です。

膀胱がんの予防方法

膀胱がんの予防には、いくつかの効果的な方法があります。

禁煙

まず最も重要なのは禁煙です。喫煙は膀胱がんの最も主要なリスク要因であり、禁煙することでリスクを大幅に減少させることができます。タバコに含まれる発がん物質は、尿中に排出される際に膀胱内にとどまり、細胞の変異を引き起こす原因となるため、禁煙は予防の第一歩です。

化学物質への曝露を回避

次に、化学物質への曝露を避けることが挙げられます。特定の職業や環境では、染料、ゴム製品、金属加工などに関連する化学物質が使用されることがあります。これらの有害物質への長期間の曝露を避けるために、適切な防護具の使用や作業環境の改善が必要です。また、農薬や排気ガスなどの環境中の化学物質もリスク要因であるため、これらへの接触を最小限に抑えることが求められます。

水分摂取

さらに、水分摂取の重要性も強調されています。十分な水分摂取により、尿の流れが良くなり、膀胱内に有害物質がとどまる時間を減少させることができます。これは、尿中の発がん物質の濃度を薄める効果があり、がんのリスクを低減する可能性があります。さらに、バランスの取れた食生活や、抗酸化物質を多く含む野菜や果物の摂取も、膀胱がんの予防に役立つとされています。これらの予防策を実践することで、膀胱がんのリスクを減少させ、健康な生活を維持することが可能です。

 

 

膀胱がんの再発と予後

膀胱がんの再発は比較的高い確率で発生するため、治療後の経過観察が非常に重要です。再発リスクは、がんのステージや治療方法、患者の生活習慣に大きく左右されます。特に表在性の膀胱がんでは、再発率が50%以上と高く、定期的な膀胱鏡検査による監視が必要です。また、浸潤性膀胱がんの場合でも、術後の再発や転移が見られることがあるため、継続的なフォローアップが不可欠です。


再発を防ぐためには、禁煙を継続することや、化学物質への曝露を避けるなどの生活習慣の改善が効果的です。また、定期的な経過観察による早期発見が再発時の対応に重要な役割を果たします。再発が確認された場合、再度の手術や追加の化学療法、放射線療法が検討されることがあります。

膀胱がんのよくある質問 (FAQ)

膀胱がんは治るのか?

膀胱がんは治るのか?
膀胱がんは、早期に発見され適切な治療が行われれば治癒が可能です。表在性膀胱がんであれば、手術や膀胱内注入療法により高い治療成功率が期待できます。しかし、進行性の膀胱がんや浸潤性膀胱がんの場合、治療が難航することもあり、治癒の可能性はがんの進行度に大きく依存します。

どのような治療が最適か?

治療の最適な選択は、がんのステージ、患者の年齢、全体的な健康状態、治療の目標によって異なります。手術、化学療法、放射線療法、免疫療法などがあり、複数の治療法を組み合わせることもあります。医師と相談し、個々のケースに最も適した治療計画を立てることが重要です。

治療の副作用は何か?

治療法によって副作用は異なりますが、手術後の痛みや感染、化学療法による吐き気や疲労感、放射線療法による皮膚の変化や排尿障害などが一般的です。免疫療法の場合、免疫反応の過剰な活性化による自己免疫性の副作用が生じることもあります。副作用の管理も治療の一部として重要です。

治療後の生活はどう変わるか?

治療後は、定期的な経過観察が必要です。また、排尿のコントロールや食生活の見直しが求められることもあります。膀胱全摘術を受けた場合は、新たな排尿方法に適応する必要があり、生活の質に影響を及ぼすこともあります。しかし、適切なサポートとリハビリにより、通常の生活に戻ることが可能です。

再発した場合の対処法は?

再発が確認された場合、再度の手術や追加の化学療法、放射線療法が検討されます。再発率が高い膀胱がんでは、定期的な検査と早期発見が重要です。再発を繰り返す場合には、治療計画の見直しや新しい治療法の検討が必要です。

予防のためにできることは?

禁煙、化学物質への曝露を避ける、水分を十分に摂取するなど、膀胱がんのリスクを減少させるための生活習慣の見直しが予防に役立ちます。また、定期的な健康診断を受けることで、早期発見につなげることが可能です。

膀胱がんでが不安な方は
当院へご来院ください

高知市や高知周辺にお住いの方で異常を少しでも感じている方は、まずは当院へご相談ください。どんな些細な症状・変化であったとしても、がんのような深刻な疾患の可能性もあり得ます。早期発見によって根治の可能性、ひいては生存率も大きく変わってきます。がんでは無かったとしても生活の質を下げる大きな原因になります。ご不明点・ご不安な点がございましたら、まずはお気軽にお問い合わせ下さい。


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