おはなしメディトーク

第五回目「前立腺肥大症について」

 

前立腺は男性にしかない生殖器で、膀胱(ぼうこう)の出口で尿道を取り囲んでいるため、肥大すると尿道を圧迫し尿が出にくくなり、頻尿、夜間頻尿、残尿感などの症状を引き起こします。加齢により増加し、70歳では70%以上が前立腺肥大を有し、その4分の1は治療が必要な症状を発症します。肥満、高血圧、高血糖および脂質異常症との関係は指摘されますが、喫煙やアルコール、性生活との関係は明らかでありません。 診察は泌尿器科で、自覚症状の評価、尿検査、尿流測定、残尿測定、血清前立腺特異抗原(PSA)測定、前立腺超音波検査を行います。治療は、尿閉、膀胱結石など、前立腺肥大症による合併症がある場合は手術治療となりますが、それ以外なら、まず薬物治療を行います。薬物療法としては前立腺平滑筋を緩め、尿道の圧迫を解除し尿を通りやすくする薬剤と、前立腺を小さくし尿道の圧迫を軽減する薬剤があり、症状や前立腺の大きさにより用いる薬が異なります。おしっこの症状が気になる方は専門の医師の受診をお勧めします。