水虫は、カビの一種である「白癬(はくせん)菌」の繁殖により起こります。

 

白癬菌は、水虫にかかった人の皮膚から剥がれ落ちる角質(鱗屑=りんせつ=)の中にも生きており、それを素足で踏むなど、菌の付着で感染します。しかし、付着だけなら、すぐ水虫にはなりません。

感染が成立するのは、洗い流されずに残った菌が、傷ついた角質から入り込み、なおかつ繁殖しやすい環境にあった場合です。

 

白癬菌は、高温多湿の環境を好みます。また皮膚表面に汗や汚れの残るアルカリ性の皮膚環境も繁殖しやすい状態です。毎晩入浴して足や体を清潔にし、弱酸性の状態を保てば、感染は予防できます。

 

家族に水虫の人がいるときは、浴室の足拭きマットや共用スリッパなどから感染することが多いので、頻繁に洗いよく乾燥させて使用することが大切です。銭湯や温泉、プールやフィットネスクラブなど、たくさんの人が素足で利用する施設では、白癬菌が足に付着しやすいのでよく洗い流し、菌が繁殖しやすい環境をつくらないように気をつけましょう。

 

 

夜尿とは、夜寝ている間に意識せずにおもらしをして、服や下着、シーツなどをぬらすことをいいます。

 

乳幼児期の夜尿を “おねしょ” といいますが、5~6歳以降は一般的に「夜尿症」と呼びます。

女の子に比べて男の子に多く見られますが、だいたい5歳で20%、10歳で5%、15歳で1~2%ぐらいにみられ、ごくまれに成人まで続くケースもあります。

 

夜尿は自然に治っていく例が多いのですが、学齢期になると、夜尿のためにお子さんが自信をなくし、心理面や生活面に影響を及ぼすこともあります。夜尿症治療の基本は、規則正しい生活をする、水分の取り方に気を付けるといった生活改善に取り組むことが重要です。

 

それでも夜尿が改善しない場合、お薬を使った治療や、アラーム療法といって、夜尿が起こるとアラームで知らせて本人に認識させ、夜尿量を徐々に減らしていくといった治療を行います。

 

 

 

更年期障害は女性だけのものと考えられがちですが、男性にも更年期障害があります。

 

男性更年期障害の原因は男性ホルモン(テストステロン)量の低下により引き起こされます。

 

40代後半から60代の方に多く見られ、若い方だと30代後半、高齢だと70代で発症される方もいます。頻度の高い症状として、性欲低下、勃起不全といった性機能障害だけでなく、火照り、頭痛が続く、疲れが取れない、気力がないなど多くの不定愁訴を訴える場合も少なくありません。

 

検査は血中テストステロンの測定が基本です。

治療方法は、血中テストステロン値が低下している場合、男性ホルモンの補充療法が基本になり、一般的に3~4週間ごとに筋肉注射を行います。治療開始後3ヶ月を目安に効果判定を行い、継続するかどうかを判断します。

 

ただ、男性ホルモン補充療法は、前立腺がんが疑われる方、または治療中の方には行うことができないので注意が必要です。

そのほかに、漢方薬、勃起不全の治療薬を併用することもあります。

 

 

尿の通り道である腎盂(じんう)、尿管、膀胱(ぼうこう)、尿道といった尿路にできた結石を尿路結石といいます。

 

 

日本人の尿路結石症は、食生活や生活様式の欧米化、高齢化に伴い年々増加しています。

外気温が高く、日照時間が長くなる春から夏にかけて多くなります。

30~60代の男性に多く(男女比約2.5対1)、ほとんどが上部尿路(腎杯・腎盂・尿管)結石です。

 

尿路結石の症状は、激しい痛みと、目に見える血尿が多く認められますが、吐き気や嘔吐(おうと)を伴うこともあります。

診断は、主に尿検査、エックス線撮影、超音波検査を行います。

治療方法は結石の大きさによって異なります。結石の大きさが8ミリ以下、特に5ミリ以下の場合は、自然に体の外へ排出される可能性が高いため、痛み止めの薬を使い水分をしっかり取るようにします。

それでもなかなか排石されない、または結石が大きい場合は、体の外から結石に対して衝撃を加えて破砕する治療(体外衝撃波結石破砕術)や、内視鏡を使った手術がよく行われます。

 

   

 

尿道口からの膿(うみ)は、尿道口から病原菌が侵入し粘膜感染した尿道炎が原因で、主に性行為によって起こり性感染症に含まれます。

 

性行為から2~7日の潜伏期間の後に、多量の濃い膿や強い排尿痛を認める場合は、淋菌(りんきん)による尿道炎が疑われます。

1~3週間後の水っぽい少量の薄い膿や軽い排尿痛の場合は、淋菌以外の病原菌による尿道炎が疑われ、約半数はクラミジアが原因です。

 

尿道炎は普通の膣(ちつ)性交のほか、オーラルセックスによる感染があり、パートナーの咽頭にこれらの病原菌が潜んでいるとも考えられます。

淋菌性尿道炎の20%から30%にクラミジアの混合感染している場合もありますので、同時にクラミジア検査をお勧めします。

尿道炎治療の抗菌薬は、淋菌とクラミジアで薬剤の種類が大きく異なるため、必ず泌尿器科専門の医師の診察を受け、治療を行ってください。

 

性感染症としての尿道炎の場合は、ピンポン感染(病原菌をうつす、うつされるのを繰り返すこと)を防ぐ意味でも、パートーナーと一緒の検査や治療が必要ですし、感染予防にはコンドームの使用も勧められます。